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もみの木山荘オーナーの自分史。イジメられっ子からガキ大将へ。あだ名はガキ大将アク(悪)

もみの木山荘オーナーの失敗談「トホホ物語」。旅がやりたくて脱サラ、ど素人がペンション経営 もみの木山荘作るまでの・・・!

宮城蔵王貸切ぺンション「もみの木山荘」オーナーの真実の話を掲載しています。

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トホホ物語

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 第32話 東日本大震災3日目
[ No. 29 ]

東日本大震災3日目

この日の朝、苦労の末に配達されたであろう朝刊をみてびっくり。
なんと福島の原発が爆発、放射能もれとの事。

増え続ける電力需要に、炭酸ガスを出し続ける火力は反対、太陽電池
風力でも限界があると、俺は原発推進派なのだ。
すぐチェルノブイリ、スリーマイル島の悪夢を思い出した。

それは原子炉の冷却ポンプが止まり消防車の水で冷やしているという
話だ。それを聞いて耳を疑った。原発1号機、それは古いとはいえ、
数十万kWのパワーがあるはずだ。

1次冷却の水(発熱している炉心で高圧水蒸気になりタービンを回し発電)を
の蒸気を膨大な海水で2次冷却して水に戻している。

地震により緊急停止していると思われるが、この数十万Kwの炉心の余熱を
冷やすのでは、消防車の水などでは大火事を霧吹きの水で消すようなもの。
原発推進派の俺はある程度の知識はあるが、専門知識豊富な原発トップが
このようなノーテンキな判断をしていることに、大変驚いた。

後で聞いた話だが、また使えるように、真水での冷却を試みたそうだ。
なんでスリーマイル島事故の経験者に意見を聞かなかったか?

これも後で聞いた話だがアメリカからは最初から海水注入を進言したそうだ。
多分関係筋から口止めされていたと思われるこの事を福島県知事が憤然とした口調で、 アメリカの進言を断りしかし原発が廃炉になるのを恐れて、
こんな姑息の手段で 人命より原発の再利用を図る東京電力の対応に腹を立てていたTVニュースを見た。

人命より金(原発)を優先するトップ、謝罪したいと東京電力社長の面会を福島県知事は 断ったとのこと、それより現状の対策に全力挙げろと言ったそうだ。

今の日本の現状は頭だけ良く、人間性の無い人だけ勝ち抜き、トップになる
システムが 悪いのさ。
戦後物の乏しいときお互いに助け合ったが豊かになったこの頃みんな
自分勝手になったと感じていたが、被災者お互いに助け合う姿は戦後の
姿を思い出した。

そうだ人間性の無いトップ(給料も多く豊か)が
人間性を失っているのもそのためかも知れない。
困ったとき人は優しくなる話(第4日以後に)

気を取り直し開かずの部屋、パソコンルームの扉を開ける事を試みた。
戸をこじあけ、やっと開いたわずかな隙間からのぞくと、入口の所にある
ソフトのCD、DVDの棚が入口を押さえているのだ。

幅も薄く軽いこの棚はやっと隙間から入れた角材により動かすことが出来
中に入って驚いた。散らばったCDなど踏み潰しながら中に進むと部屋の
中は足の踏み場も無い。3台の新鋭パソコンはひとつ残らず床上に落下、
液晶も同じ、机の上はきれいさっぱり。

薄型に作られた新鋭パソコンは地震には弱かったのだ。
それにビデオ編集用のパソコン、音楽作曲、編曲用パソコン、HP作成用パソコン
と専用の3台はいろいろの外部機材を繋ぐべく、前に引き出せるように
接続ケーブルを長くしていたのが裏目に出てこのありさまだ。

液晶もパソコンの角にぶつかったらしく画面がへこんでいる。
25年間のパソコン技術を授かった技術書もその上に折り重なっている。
片付ける気も無く、居間に戻る。

そこに朝からの行列の苦行の末戻ってきたカーちゃんの買い物の戦果は
はんぺん、納豆、キャベツだ。
腹の足しになるようなパンなど全く買えない。

避難所に行けば、ここにいる人だけともらえない。
これは避難所の人が悪いわけではないだろう。仕切っているお役人の
指示なのだ。

今日は雪も降り寒いがあきらめて外で第2回の釜飯を炊く。
炊き終わり震えながら冷たいコタツにもぐる。
そこでカーちゃんの発案、娘が赤ちゃんのときに使った湯たんぽがあるかも
と、古い家に探しに行く。

しばらくたって、喜びの声とともに湯たんぽを持ってくる。
古く黄ばんでいるプラスチックの湯たんぽ!でも熱湯をいれコタツに入れると
ほのかな暖かさが伝わってくる。

4日目以降のことはとくに心に残ったこと、やがて来ると云われている東海関東
大地震の参考になるようなことを記述したいと思います。
俺は宮城県沖地震を30数年前に体験し、その後2回も震度6の地震に襲われ いつも地震防災を念頭においていた。

今回の地震も防災用ラジオ、懐中電灯など 枕元においていたので地震の揺れが来たとき無意識にラジオをつかんで逃げた。

電気は1週間後通じたが、水道は12日間断水した。
皆さん20リッターの水用ポリタンク必携ですよ!